龍頭観音/点描仏画C6

龍頭観音イラスト

なぜか人気の龍頭観音。

最初に描いた下絵を立位にしてしまい点描画の紙(150×2)に入らず;、バージョン1(150×2)とバージョン2(250×2)の2パターンあります。

龍頭観音イラスト

ver.1(150×2)の龍頭観音

民間人気NO.1で、衆生を救済する慈悲の菩薩・観音菩薩は、法華経「普門品」以降、より人間のニーズや状況に合った姿に変化するようになります。その姿が、一般的には三十三観音として知られています。

観音菩薩(クァンイン)/点描仏画C5
観音菩薩(観自在菩薩)。チベット語だとチェンレースィ、中国語だとクァンイン。ヒーリング世界では、オーラソーマにラオツー&クァインイン(老子と観音)ボトルがあったり、オラクルカードにもクァンインカードがあったり…なぜか中国語読みが流通してますね。(ちなみにサンスクリットだとアヴァローキテーシュバラ)「慈悲の菩薩」という側面からか、各国・地域での民間信仰が非常に強く、二世紀の「法華経」からすでに、人々の暮らしの中に変化して登場する観音菩薩が登場しています。八世紀以降は十一面観音、千手観音、三十三観音など状況や功徳に応じた観音が多く生み出されています。

変化観音の1つが龍頭観音ですが、普門品には幾度も「竜」が登場します。

 

或いは巨海に漂流して、竜・魚・諸の鬼の難あらんに、彼の観音の力を念ぜば。波浪も没すること能わざらん。

或いは悪しき羅刹、毒龍・諸の鬼等に遇わんに、彼の観音の力を念ぜば、時に悉く敢えて害ざらん。

 

このように、人間が「苦難・困難に出会っても(多様なシチュエーションで描かれてます)、観音を念ずれば万事OK★な句が延々と続くのが観音経。難解な経文を、具体的に象徴化しているのが三十三観音の仏像や仏画。

仏画や仏像は、文字が読めない庶民に仏教の教えを伝えるためのものなんですね。

龍頭観音

龍頭観音立位・紺泥バージョン

 

龍頭菩薩の造形

三十三観音の多くは江戸時代の「仏像図彙」が元になっています。

それを見ると龍頭観音は「龍の上に結跏趺坐もしくは立位」で描かれているようですが…わたしver1を「立膝」にしてしまいましたw

事物や造形が細々と定められている如来や菩薩とは異なり、民間信仰主導の変化観音は割と自由な印象があるからか、川上暁斎など高名な画家も龍頭観音を描いています。

龍を描く
龍やドラゴンは古今東西各地の伝説・伝承・神話に登場します。東洋の龍は吉祥や智慧、西洋のドラゴンは悪(時にユーモラスな、時に悪魔のような)で描かれることが多いですが、龍の善悪の区別はかなり曖昧です。龍は雲、雨、そして大河の象徴であり、陰陽五行では「陽」に分類され男性性。易経では「智慧」を表すと記されています。秦代以降、龍は皇帝のシンボルでした。漢の高祖・劉邦の母親は自分の上に「赤龍」が乗る夢を見た直後、劉邦を懐妊したと伝えられ、龍座・龍袍・龍顔…中華文明において皇帝と龍はほぼ同義です。

龍頭観音を描く

当校ではクァンイン「彩色仏画」「点描仏画」を描いていただくことができます。

 

 

 

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