仏画と色とシンボル

鳳凰を描く

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永遠に生きる不滅の鳥(不死鳥)は古今東西各地の伝説・伝承・神話に登場します。

鳳凰、朱雀、フェニックス、ガルーダなど名前は多くありますが、基本的に「火の属性」を持っていること、「火」の破壊と再生の質(不死)を持つことが共通しています。

 

 

鳳凰・朱雀、東洋の鳥

世界最古の帛画(絹本に描かれた絵)は、BC3~4(春秋戦国時代)楚国のものが出土されています。そこには龍と鳳凰、女性像が描かれていました。

中国、そしてその後の日本で、龍と鳳凰は伝統的に受け継がれた象徴造形です。

初期の鳳凰は鶏がモチーフになっていると言われていますが、時代が下るにつれ多種多様な禽獣がミックスされていきます。

鳳凰は太陽に住み、雉と孔雀のような姿で輝く羽根を持っています。彼らが地上に遊びに来ると「天子が現れる瑞兆」であり「吉祥」のシンボルです。

俗説では「鳳は雄」「凰は雌」。番で出現すると鳳凰=「永遠の愛の象徴」「調和と平和」。

ただ皇帝のシンボルである龍(男性性・皇帝・陽)と組み合わさると鳳凰は女性性・皇后の象徴となり、明朝以降の袍に刺繍されているのが目立ちます。現代でも伝統的な中国の結婚衣装には龍と鳳凰が描かれ、「龍凰呈祥(りゅうほうていしょう)」は繁栄を意味します。

龍鳳呈祥

龍鳳呈祥

漢代になると鳳凰は陰陽五行の四聖獣「朱雀」としても扱われはじめます。

朱雀は「朱」「南方」「夏」「火」の属性を持ち、鶏の頭・蛇の首・鳥の翼・孔雀の尾を持つと言われています。

 

秦代以降、龍は皇帝のシンボルでした。漢の高祖・劉邦の母親は自分の上に「赤龍」が乗る夢を見た直後、劉邦を懐妊したと伝えられ、龍座・龍袍・龍顔…中華文明において皇帝と龍はほぼ同義です。

  • 陰陽五行では「青龍」が「陽」「春」「青」「東」に分類されます。
  • 南の「朱雀」
  • 西の「白虎」
  • 北の「玄武」

>>龍を描く

 

 

ヒンドゥー教から密教へ

ヴィシュヌの乗り物であるガルーダは不死の薬アムリタを手に入れています。チベット仏教では迦楼羅や金̪翅鳥と呼ばれ五智如来・不空成就如来の乗り物です。西洋のフェニックスも「不死」と関連が深いですが、東洋でも似ていますね聖鳥と不死はここでも共通しています。

 

孔雀明王(マハ―マユ―リ)/点描仏画C8

孔雀に関しては孔雀明王をどうぞ

 

 

西洋のフェニックス

ギリシャ・ローマで発展したフェニックス神話は、エジプトがルーツだと言われています。強固な石の建造物(ピラミッド)やミイラを残した古代エジプトの権力者たちは、「永遠」への渇望を抱き続けていました。

ギリシア史家ヘロドトスは、

この鳥は滅多にエジプトにやってこず、ヘリオポリスの人々がいうには500年に1度しかあらわれない。~中略~羽毛は半ば金色、半ば赤い。格好と大きさは鷲に大変よく似ている。

と記しています。赤や金の羽根を持ち鷲のような造形をした鳥ですね。フェニックスが何をしにヘリオポリスへやってくるかというと…

この鳥は没薬に包んで父親の亡骸をアラビアから太陽神の神殿に運んできて、そこに埋める。

まず運べる程度の重さの没薬の卵をこしらえ、それを持ち上げて重さを確かめ、それから卵をくりぬいて父親の亡骸を入れ、亡骸の横たわる隙間に更に没薬を詰める。~中略~フェニックスはそれに封をしてから、エジプトの太陽神の神殿へと運んでくる。これがこの鳥のなす薬の物語である。

後の詩人や哲学者たちはフェニックスの伝説から、壮大な宇宙の死滅と再生、自然の大いなる循環を見出しました。フェニックスの循環は秘教により500年~1456年周期で伝承されています。

自らの羽根で火を熾し、灰に飛び込み死を迎え、死を迎えたことで次の再生を得る。

エジプトのミイラから伝承されるように「変わらぬ永遠の生命を維持する」のではなく、フェニックスは「死と再生を繰り返し、循環しながら永遠を生きる」シンボルです。

  • 古代エジプトに繁栄をもたらせたナイルが、治水と氾濫を繰り返し流域に豊穣を与えたように。
  • 錬金術師がフラスコの中で破壊と再生を繰り返すように。(フェニックスは錬金術のシンボルでもあります)
  • ヒンドゥの創造(ブラフマー)・維持(ヴィシュヌ)・破壊(シヴァ)が三位一体であるように。

東西問わず、一見空を飛ぶに不適切に見える大型の鳥類たちが、自在に天を翔けるのを地上から仰ぐしかない人間にとって、鳥は「永遠に繰り返される破壊と再生」「永遠を与えてくれる妙薬」を象徴しやすかったのでしょうね。

望女成鳳

望女成鳳~女の子には鳳凰のように幸福になってほしいとの願いが込められた中国の言葉です

 

 

 

羽根系の絵をご希望される皆さま

鳳凰や孔雀明王など「羽根」を描く絵が多いですが、点描で再現するには限界がありますので下絵の羽根はごくシンプルなラインのみです。

細部まで描きこむも、シンプルに仕上げるも自由です。ご自身のスキルやセンスで適当にお書きください。

逆に、羽根の詳細な下絵をご希望になられる方はご遠慮くださいませ。

鳳凰下絵

作品と比較し、下絵の羽根がシンプルな線しかないことが分かると思います。

 

 

鳳凰画を描く~聖獣画一覧

龍や鳳凰など聖獣画一覧です。点描仏画C1 &C2 参加後に、お好みの聖獣画を選らんで描いて頂けます。

 

 

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